MQL5 MARKET EA AUDIT

人気EAを、
共通基準で測った。

MQL5マーケット人気上位140製品を調査し、うち51製品を5.13年の設定期間でバックテスト。数値を記事に収録できた結果は26製品です。

140
製品を調査
51
製品をテスト
5.13
テスター設定期間
2.4
最大ティック数*

* XAUUSDの主なテスト1本で約2.45億ティック。EA・銘柄によりデータ品質、取引継続期間、ティック数は異なります。

結論を先に

人気EAを実際に動かすと、何が見えたのか。

  1. 人気・高評価と実測成績は別物。販売ページの情報だけでは見えない差がありました。
  2. 比較にはロット管理が不可欠。複利でロットが増えた結果はランキングから除外しました。
  3. 純損益の単純比較はしない。製品ごとにロット範囲・銘柄・データ品質が異なるため、PFやDDも含めて読みます。

調査で見えた5つの論点

レビューだけでは見えなかったこと

01

「グリッドなし」表記と既定値の矛盾

一部製品の入力名・既定値にグリッド/マーチン関連の有効値を確認しました。ただし、そのロジックが実際に稼働した証明とは分けて扱います。

02

高評価製品にもバグ報告

レビューには、SL計算が0になるというユーザー報告もありました。伝聞と実測は分けて検証します。

03

300msで変わるリスク

外部検証では、約定遅延により特定EAのリスク特性が大きく変わる例が報告されています。これは当方の51製品テストとは別の証拠です。外部検証 ↗

04

製品とレビューは消える

保有デモ35本のうち3本は、販売終了または追跡不能になっていました。

05

上位製品は少数の売り手に集中

製品単体だけでなく、作者・手法・対象銘柄の組み合わせを見る必要があります。

リスクの仕組み

成績表の裏側で、何が起きているのか

EAのリスクは、勝率だけでは説明できません。5つの図で、今回の調査で重視した構造を整理します。

価格下落に合わせてポジション数とロットを増やすグリッド・マーチンの図
グリッド/マーチン — 含み損を平均化できる一方、逆行が続くとポジション量が膨らみます。
複数戦略が同じ方向へ発注し、合計リスクが集中する図
Position Stacking — 個別戦略が独立でも、同方向に重なると口座全体のリスクは集中します。
小さな利益を積み上げても一度の大きな損失で相殺される図
高勝率×深いSL — 小さな勝ちを重ねても、一度の大きな負けで損益が反転し得ます。
300ミリ秒の約定遅延で注文価格とポジション構成が変わる図
300ms遅延 — 約定順序や価格がずれると、グリッドの保有構成自体が変わる場合があります。
3人の売り手から複数のEA製品へ枝分かれする製品ライン図
売り手と製品ライン — 製品名だけでなく、作者・手法・対象銘柄の関係も比較します。

実測グラフ 01

主要比較群21製品のPF

PF(プロフィットファクター)は総利益÷総損失。1を上回るほど、この検証条件では利益が損失を上回りました。PFだけで優劣や将来収益を断定することはできません。

このグラフの検証条件
期間
2021.07.01〜2026.08.18(5.13年)
モデル
製品ごとに異なる。個別カードにデータ品質を表示
約定遅延
ランダム
初期証拠金
1,000,000 JPY/レバレッジ1:2000
ロット
固定モードを優先したが、実測レンジは製品ごとに異なる
ブローカー
Exness-MT5Real5

実測グラフ 02

PFだけでなく、DDと取引数を同時に見る

横軸は最大DD、縦軸はPF、円の大きさは取引数です。ロットと銘柄が統一できなかったため、誤解を招く収益率比較は行いません。

黄色は別条件5製品。PFも変動ロットや取引数の影響を受けるため、将来の優劣を示すランキングではありません。

比較可能な実測結果

26製品の実測一覧

PF順の一覧です。純損益は実測ロットでの値で、銘柄間・製品間のランキングには使えません。ロット範囲とデータ品質を必ず併記します。

#EA区分銘柄/TF実測純損益PF最大DD取引数ロット min/med/max品質
データを読み込んでいます…

EA個別検証

26製品を1本ずつ見る

販売情報・調査メモは2026-08-18時点のローカル製品ドシエ、数値とグラフは当方のバックテストから取得しています。第三者レビューと編集メモは未再検証の調査資料として、当方の実測とは分けて表示します。

価格は2026年8月21日に確認したMQL5表示価格です。日本円は1 USD=163円で100円単位に丸めた概算。為替、税、セール、販売状況により購入時の金額は変わります。

個別データを読み込んでいます…

検証方法と限界

この比較で言えること、言えないこと

共通条件

  • 2021.07.01〜2026.08.18(5.13年)
  • モデル・品質は個別カードに表示
  • ランダム約定遅延
  • 初期証拠金1,000,000 JPY、レバレッジ1:2000
  • Exness-MT5Real5

比較の境界

  • ロット範囲が製品ごとに異なり、純損益は横比較できない
  • 同じ0.01 lotでも銘柄ごとの金額リスクは異なる
  • 12%品質の結果を含み、100%品質と同等ではない
  • 独立OOS、ウォークフォワード、感度分析、複数ブローカー検証は未実施
  • マルチ通貨EAは1チャート実行
  • 26製品は人気上位140製品の一部

除外した結果

  • 複利でロットが3倍以上に増加した4製品
  • 取引が成立しなかった6製品
  • 未実行9製品
  • 異常な収益率をEAの実力として扱わない

まとめ

EA選びは、ランキングではなく検証条件から始まる。

今回の実測が示すのは「このEAなら将来も勝てる」という答えではありません。同じEAでも、銘柄、ブローカー、ロット管理、約定条件が変われば結果は変わります。

確認すべきなのは、利益の大きさだけではなく、その利益がどのロット、どのDD、何回の取引、どの決済構造から生まれたのかです。販売ページの評価とレビューは入口にすぎず、比較可能な条件へ揃えて初めてリスクの輪郭が見えます。

関連研究

この記事は、EAを共通条件で動かして結果を測った記録です。もう一歩踏み込んで、EAが残した注文履歴と市場データだけから内部の売買ルールを推定する研究も進めています。注文履歴だけで、どこまでEAの内部規則を説明できるか——その現在地をまとめました。

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